試験結果
施工7年後の性能(付着強度と圧縮強度、外観)を表-1、2に、また最初沈殿池の水抜き後・清掃後の壁面の外観を写真-3にそれぞれ示す。
表−1 付着強度と圧縮強度(施工7年後)
 
A
B
C
ピラコート
コンクリート
配合
フッソエマルジョン
40
40
40
   
硅砂・混和剤
140
140
140
Cuパウダー
10
10
10
Niパウダー
10
10
10
Tiパウダー
10
酸化チタン
10
光媒体酸化チタン
10
10
30
10
付着強度
気相部(N/mm2)
1.6
2.2
2.3
1.6
液相部(N/mm2)
1.00
0.80
0.80
0.60
0.00
圧縮強度
気相部(N/mm2)
15〜20
15〜20
15〜20
15〜20
15〜20
液相部(N/mm2)
15〜20
15〜20
15〜20
15〜20
15〜20
付着強度は水抜き後7日養生し、建研式引張試験器を各塗膜に取り付け測定した。
コンクリートの場合は直接取り付け後測定した。
圧縮強度はシュミットハンマーによる。
表−2 外観(施工7年後)
 
A
B
C
ピラコート
コンクリート
モルタル色
モルタル色
コインによる表面強度
すべる
すべる
すべる
傷がつく
砂が落ちる
<考察>
(1)
フッソ系の防食材の付着強度は、気相部、液相部とも使用に耐える状況であった。気相部に比べ液相部が劣るのは、充分塗膜が乾燥していないこともあると思われる。
(2)
シュミットハンマーによる下地強度は、各部位とも大きな差は出なかった。これは、試験塗膜が薄層のため、下地コンクリートの強度が測定されたことに起因していると思われる。
(3)
外観では、フッソ系の塗膜のほうが良好な結果を示した。コインによる表面強度の観察においてピラコート、コンクリートは、劣化が大きく進行していた。